本プログラムにおける対応原則は、英語では、ALGEEとまとめられています。
- 自傷・他害の評価(Assess Risk of Suicide or Harm)
- 判断や批判を加えずに傾聴(Listen Non-judgmentally)
- 安心と情報を提供し(Give Reassurance and Information)
- 適切な専門家支援を得るよう勧め(Encourage Person to Get Appropriate Professional Help)
- 自分で出来る対応法を勧める(Encourage Self-Help Strategies)
の5点です。ただし、最近出版されたマニュアル第2版では、これらのエッセンスに変更はありませんが、文言に修正が加わったので、注意してください(MHFA manual 2nd edition)。MHFAプログラムでは、自殺関連行動、パニック発作/急性ストレス反応、急性精神病状態、そしてうつ病、不安障害、精神病の非急性発症、物質乱用について、心理教育のように、疾患に関する一般的知識や一般的な経過について説明しています。
そして、先の対応の5原則に基づいた具体的な対処法を紹介しています。講義形式だけではなく、スモールグループでの議論、ロールプレイなど体験型学習手法を多用しています。よくみられる精神疾患(うつ病・自殺関連行動、不安障害、物質使用)、また地域精神保健で重要な、精神病圏の人への対応法について学びます。この研修を提供する指導者研修では、これらすべてを48時間で学び、全コースを修了すると指導者として認定され、自分の地域、職域の人を対象にMHFAプログラムを提供することができるようになります。
オリジナルのマニュアルの翻訳および日本における参考資料の編集を行い、そして初期対応法の5原則は「り・は・あ・さ・る」にまとめました。それぞれ、
- リスク評価
- 判断(はんだん)・批判せずに話を聞く
- 安心(あんしん)と情報の提供
- サポートを得るよう勧める
- セルフヘルプを勧める
を指しています。